公開: 2023年6月5日
更新: 2023年6月5日
19世紀のヨーロッパでは、近代的な軍隊が組織され、その大規模な軍隊を効率よく運営するために、軍の出費を細かく記録し、その記録を分析して、軍の何に、どれくらいの費用が必要になるのかを、精密に計算するようになりました。これによって、軍隊の維持に必要な予算を計算することができるようになるからです。軍隊の維持に必要な物品や兵士の人件費などを細かく分類して、出費の記録を取り、それに基づいて単価を算出する方法です。
この単価を計算するための会計処理のことを原価計算と呼びます。原価を計算できるようになったため、軍隊の規模を拡大すると、どれくらいの国家予算が必要になるのかを推計できるようになります。現代の企業でも、企業の事業計画を立てるために、事業への投資を立案し、その投資計画にどれくらいの予算が必要になるのかを計算しています。そのような予算の計算に、原価計算の方法が使われています。